山陽新聞(2007年5月11日)によれば、やはり戦時中にインドネシアで慰安婦強制が行われていたことを裏付ける史料が発見された。それも、オランダから。天網恢恢疎而不漏(天網恢恢、疎にして漏らさず<老子>)とは、よく言ったものだ。安倍首相も、下村官房副長官も、「慰安婦の強制はなかった」と強弁していたが、大嘘であったことが白日にさらされた。政府首ノー(脳?、膿?)の虚言癖、「松岡の腐った水」とかは、もううんざりである。
「憲兵が連行、売春強制 慰安婦でオランダ新史料
【ベルリン11日共同】太平洋戦争時の従軍慰安婦問題で、日本占領下のインドネシアで憲兵らが直接、女性を連行して慰安所で売春を強制したことを記述したオランダ政府の公文書が10日までに見つかった。旧日本軍による『狭義の強制性』を否定した安倍晋三首相の発言の矛盾を裏付ける新史料として注目される。
公文書は、戦争犯罪問題を調査しているベルリン在住ジャーナリストの梶村太一郎氏が入手した未公開の約30点。1944年にインドネシアのマゲランやフロレス島で起きた集団売春強要事件の被害者の宣誓証人尋問調書に記述されていた。マゲランの事件についてはオランダ政府報告書が『最も悪名高い事件』と指摘している。」
【ベルリン11日共同】太平洋戦争時の従軍慰安婦問題で、日本占領下のインドネシアで憲兵らが直接、女性を連行して慰安所で売春を強制したことを記述したオランダ政府の公文書が10日までに見つかった。旧日本軍による『狭義の強制性』を否定した安倍晋三首相の発言の矛盾を裏付ける新史料として注目される。
公文書は、戦争犯罪問題を調査しているベルリン在住ジャーナリストの梶村太一郎氏が入手した未公開の約30点。1944年にインドネシアのマゲランやフロレス島で起きた集団売春強要事件の被害者の宣誓証人尋問調書に記述されていた。マゲランの事件についてはオランダ政府報告書が『最も悪名高い事件』と指摘している。」
かねて、フィリピン、インドネシアなどでは、一般市民を連行して慰安婦にするという事案があり、その証言もされているが、政府公文書として、日本軍による一般市民への慰安婦強制が記述されているものが出てきたことは、山陽新聞が書いているように、安倍首相の発言が矛盾していることを証明するものである。
インドネシアでは、以下のように軍による市民の強制慰安婦化の事案があった。
(A)1943年3月、ジャワ島ブロラで20人のヨーロッパ人女性を日本軍が監禁・レイプしたケース
(B)1944年1月、抑留所からマゲランの慰安所に女性たちを暴力的に拉致したケース
(C)1944年2月、抑留所からスマランの慰安所に女性たちを暴力的に拉致したケース
(D)1944年4月、スマランで女性たちを逮捕し、スラバヤやフローレス島の慰安所に移送したケース
(A)1943年3月、ジャワ島ブロラで20人のヨーロッパ人女性を日本軍が監禁・レイプしたケース
(B)1944年1月、抑留所からマゲランの慰安所に女性たちを暴力的に拉致したケース
(C)1944年2月、抑留所からスマランの慰安所に女性たちを暴力的に拉致したケース
(D)1944年4月、スマランで女性たちを逮捕し、スラバヤやフローレス島の慰安所に移送したケース
なかでも(C)のケースは「スマラン慰安所事件」として知られており、バタビア臨時軍法会議で、現地日本軍部隊が抑留所にいる若い女性を暴力的に拉致して慰安所に入れたとして、当事者に死刑判決が下されている。「スマラン慰安所事件」は「白馬事件」(「白馬」とは「白人の女に乗る」ことから強制的に慰安婦としたヨーロッパ人の意、現地人を慰安婦に仕立てたのを「黒馬」といった)ともいい、南方軍管轄の第一六軍幹部候補生隊が17才以上のオランダ人女性を連行して、少なくとも35名に売春を強制した事件。これは娘を強制的に連行されたオランダ人の抑留者リーダーが、陸軍省から捕虜調査に派遣された小田島薫大佐に訴えて発覚、その二ヶ月後国際世論を恐れた軍当局によって慰安所は閉鎖された。その事件当時の第一六軍幹部候補生隊長は能崎清次(当時少将、陸士24期)であったが、軍の目こぼしでおとがめなく、1945年に中将となって第百五十二師団長にまでなっている。事件後、監禁されていた女性が解放されただけで、能崎以外の犯人についても、陸軍刑法に違反しているにも関わらず、軍法会議にかけられることもなかった。これは軍法会議にかけることによって、陸軍のエリート部隊が起した事件を日本国民に明らかにすれば、国軍の威信に関わるとの思惑が働いたためである。他国の非戦闘員に対して死ぬより辛い屈辱を与えておいて、事件が発覚すると世間体がまずいともみ消ししたのだから、官僚とか警察などによくある身内に甘い体質は戦時中から続いていたのである。一般兵士が戦闘中に部隊から離脱した場合、敵前逃亡として平気で銃殺してきたくせに、軍幹部が強姦事件とかおこしてもお咎めなしとは、日本軍の体質がよく分かる。能崎清次は戦後オランダがおこなった軍事裁判で、売春強制罪、強姦罪などにより、求刑は死刑ながら12年の懲役刑に処せられている。
以下が、日本の名誉を地に落とした馬鹿どもと、その求刑、判決内容である。
スマラン慰安所事件の被告と判決 氏名 階級等 求刑 判決 罪名 役職ほか 能崎清次 陸軍中将 死刑 懲役12年 bcd 幹部候補生隊長 池田省三 陸軍大佐 死刑 懲役15年 abc 幹部候補生隊付 岡田慶冶 陸軍少佐 死刑 死刑 abc 主な担当者 河村千代松 陸軍少佐 懲役10年 懲役10年 ab 副官 村上類蔵 軍医少佐 懲役10年 懲役7年 d 幹部候補生隊付 中島四郎 軍医大尉 懲役20年 懲役16年 cd 幹部候補生隊付 石田英一 陸軍大尉 懲役2年 懲役2年 d 幹部候補生隊付 三橋弘 陸軍司政官 懲役5年 無罪 スマラン州庁 古谷巌 軍属(業者) 死刑 懲役20年 b スマラン倶楽部 森本雪雄 軍属(業者) 懲役20年 懲役15年 b 日の丸倶楽部 下田真治 軍属(業者) 懲役5年 懲役10年 b 青雲壮 蔦木健次郎 軍属(業者) 懲役5年 懲役7年 b 将校倶楽部
階級は終戦当時。役職ほかは事件当時のもの。
罪名の記号は、a:婦女子を強制売春に連行した罪、b:売春強制罪、c:強姦罪、d:抑留者を不当に扱った罪。
罪名の記号は、a:婦女子を強制売春に連行した罪、b:売春強制罪、c:強姦罪、d:抑留者を不当に扱った罪。
なお、事件の中心人物であった大久保朝雄大佐は、日本に帰国していたが、オランダ政府の追及を知り、戦後1947年に自殺。
このような軍規も国際法も道徳を守らない馬鹿どもを擁護し、日本の国際的な立場を危うくするばかりか、海外の無辜の市民を愚弄し傷つけているのが、安倍首相らである。自分のじいさんが戦争犯罪人であることが、よほど悔しいのか、普段は言っていることが不明瞭なのに、こうした話では実に饒舌に事実に反するデマを撒き散らしている。
日本政府は、オランダでもどこでも他国の政府文書が何か書いていようが、個別の話にはコメントしないのだそうだ。その割りに、安倍首相は個別に「慰安婦は嘘つきだ」と嘘をついているが。こういう卑怯未練な連中を見ていると、虫唾が走る。今度の参院選の争点は憲法改正で、自民党は憲法改正(実際は改悪)の裏スケジュールを作ったが、安倍首相は知らぬ存ぜぬと答弁している。何とか、葬り去る手段はないだろうか。
日本政府は、オランダでもどこでも他国の政府文書が何か書いていようが、個別の話にはコメントしないのだそうだ。その割りに、安倍首相は個別に「慰安婦は嘘つきだ」と嘘をついているが。こういう卑怯未練な連中を見ていると、虫唾が走る。今度の参院選の争点は憲法改正で、自民党は憲法改正(実際は改悪)の裏スケジュールを作ったが、安倍首相は知らぬ存ぜぬと答弁している。何とか、葬り去る手段はないだろうか。
小生もとっくの昔に武装解除された身ではあるが、こうした悪党どもの策動を見ていると、射撃訓練で鍛えた腕がうずくというもの。おっと、これは失言、社会的に包囲せねば。
(写真はインドネシアの民族衣装を着た現地女性)
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